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「借りぐらしのアリエッティ」

「最近のジブリ(宮崎駿)作品と違ってそんなに壮大なテーマの物語じゃないよ」という評判に惹かれて観てみました。

非常に映像が綺麗で、アリエッティの表情が活き活きとかわいらしく描かれていて、そういう見どころは十分にある作品。
内容的には……まぁ、時間が短すぎて……もっと描写してほしかったところは多々あった印象の作品。

結局脚本が宮崎駿さんなので、中盤に唐突に地球規模の話を語りだす部分があり、それがまぁうんざりするぐらいいきなりの長台詞で全然奥深さを感じなかったりはした。

それよりも、人間の男の子がアリエッティに対して取ってしまう行為の過ちっぷりが、つい最近の自分の痛い経験とかと重なってしまって、凄く印象的だった。あのシーンを、アリエッティ達の視点で仰々しく演出したのは、とても良かった。
劇的なシーンだったと思う。

全体的には、まぁ、物足りない。
監督のお手並み拝見、みたいな視点があるなら、凄く期待できるクオリティだったんじゃないかな。

「トイ・ストーリー3」

今日は、珍しく映画を2本ハシゴしました。
というわけで初3D映画。

後輩がやたら絶賛してたんだけど、うん、確かに面白かった。

散々不安なことが起こりそうな予感を与えつつ、その想像を上回る描写でハラハラ感を演出してしまうのは凄い。
こういうモノづくりができるようになりたいなーと思う。
ストーリー的には若干くどいかなーって感じはするけども。

3Dの映像は、最初のうちは酔うか!? と思ったんだけど、意外と平気でした。メガネつけててもなんとか。(どうも、会場によって形式が違うらしいけど)
本編前のCMとかでは、目の前まで迫ってくるような迫力ある映像もあったのだけど、トイ・ストーリー3本編では、結構さりげなく活用されてる感じ。微妙な遠近感が再現されていて、3Dアニメーションはこの形が完成形なのかな、と思えた。
割と端の方の席だったのだけど、メガネをしっかりつけている間は、ぼけてるなとか色が変だなと思うところは全然なかった。

で、評判が高いのはエンディングだと思うんだけど、こりゃずるいなと思いつつしっかり泣ける。
おもちゃが大切にされるオチは誰でも想像つくと思うけど、そんなに単純に終わらない、きちんと伏線が張ってあってよかった。

……まぁ、こういう優等生的感想にならざるを得ない作品、とも言えるかもしれないなー。
大人が見ても子供が見ても楽しめる作品であるのは間違いないっす。

古川日出男 / ロックンロール七部作

参りました。
良くも悪くも、この本はまともに感想が書けない。(でも、読み終えたっていう事実は記しておかねばならない、って私は思うわけ。何故ならあたしは「ベルカ、吠えないのか?」の後にこれを読んでいて、それはそれだけでもとっても意味があることだからだ)

……とまぁ、読んだ人にしか通じないネタだけど、↑みたいなカッコ付の語りが傍若無人に挿入されまくる異色の一人称小説。
しかもストーリー自体が縦横無尽に時間や地理を飛び越えて展開する。

これは20世紀の物語。
七つの大陸の物語。
ロックンロールの物語。
イェー。

多分内容なんてほとんど理解できていない。たまに旧約聖書の系図記述(シェラの子供がエベルで460年生きてエベルは息子や娘をもうけて……みたいな奴←かなり適当)を読んでいるような気分になることすらある。

でもなんだか凄いテンポとリズム感を持って進んでいくし、アホの人生がアホみたいに連鎖していく様子はアホみたいに興奮するし。
なんだかこれがロックンロールの小説です、と言われたら、は、はい、そうですね、と認めてしまいたくなるような、そんな本だった。

ようするに、この本はだーれにも薦められないけど、本棚にずっと飾っておくであろう小説。

秋山瑞人 / 猫の地球儀 (焔の章・幽の章)

再読(書籍自体はおそらくもう絶版かと思われます)。

天才の話。
あるいは、猫の話。
宇宙の話。
星の話。
大切な人の話。
死の話。

SFであってファンタジーであって、とても切ない物語。
(主人公が猫っていうのは、大人びてるようで無邪気でむこうみずで、なんというか絶妙だなぁと思う)
「所詮ラノベ」なのかもしれないけど、こんなの高校生の時に読まされたら、そりゃあガツンと来るさ。

大好きな小説だったけど、10年間、怖くてなかなか読み返せなかった。
でも、なんだろう、いろんな要素が重なって、読み返すなら今かもと思ったんだ。

当時は気付かなかった色々な描写に気付いたし、改めて笑ったりむず痒かったり、泣いたりした。
焔と幽が「空歩き」で酔っぱらうシーンとか、焔が楽と過ごす人生を夢想するシーンとか、当時はよくわからず読んでただろうな。

この小説は、盲目に夢を追うこととか、その業について描かれている。
ただ、『夢』というテーマであれば、今話題の「天地明察」の方がすがすがしいし、現代人の生き方の参考になりそうだし、示唆にも富んでいる。
(多分、「天地明察」が、「猫の地球儀」を読み返すきっかけスイッチのひとつだっただろう。この二つはとても対照的な作品だ。個人的には)

「猫の地球儀」は、『孤独』の話なのかなと思う。主人公猫だし。

天才だって寂しい。
自分は凡人だけど、それだけはよくわかるのさ。

興味を持ってくれた人には、ぜひ読んでほしい二冊。
読んでぜひ「ぐあああああっ」って気分になってほしい。そしてそれから、語り合いたい。

↓多分絶版だけど表紙が見えるはずなので。この絵にだまされた人沢山いるだろう。笑

猫の地球儀 焔の章 (電撃文庫)

「おくりびと」

久しぶりの『興味はあったけど、テレビでやってるから観てみた映画』レビューです。

この映画には原作があるらしい。しかしWikipediaによると、内容の相違から、表向き「原作」として表記されることを拒否された経緯があるようだ。
Amazonでその原作「納棺夫日記」の評価を見てみると、なるほど☆5の評価をつけているレビューには、宗教的な影響の偏りが見受けられれ(別に宗教的な内容であることを否定するわけではない)、映画で描かれたテーマとはだいぶ異なる部分があるのだろうということは想像がつく。

そんなこんなで、「おくりびと」は人の死を扱うさぞかし重い映画なのだろうと思っていた。
しかし観てみたら、そのテーマの重さを隠すためなのかもしれないけど、かなりコミカルな作品だった。
作品全体の最終的なテーマも、人間の命とか尊厳というよりは、絆とか、家族愛とか、その辺に重心があったように思う。
とりあえず妻役の広末涼子が大層かわいくて(←映画観ててこんな感想を持つことは滅多にないのだけど)、それが終盤のセリフに集約されていい味を出していた。

なんとなく、中盤の妻の言動に釈然としないところがあったのだけど、これは多分、テレビ版でシーンがカットされた弊害なのかな?
映画好きの先輩によると「エンドロールが秀逸」ということなので、一度DVD借りてみようかなぁ、とちょっと思った。

以下ネタバレ

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