再読(書籍自体はおそらくもう絶版かと思われます)。

天才の話。
あるいは、猫の話。
宇宙の話。
星の話。
大切な人の話。
死の話。

SFであってファンタジーであって、とても切ない物語。
(主人公が猫っていうのは、大人びてるようで無邪気でむこうみずで、なんというか絶妙だなぁと思う)
「所詮ラノベ」なのかもしれないけど、こんなの高校生の時に読まされたら、そりゃあガツンと来るさ。

大好きな小説だったけど、10年間、怖くてなかなか読み返せなかった。
でも、なんだろう、いろんな要素が重なって、読み返すなら今かもと思ったんだ。

当時は気付かなかった色々な描写に気付いたし、改めて笑ったりむず痒かったり、泣いたりした。
焔と幽が「空歩き」で酔っぱらうシーンとか、焔が楽と過ごす人生を夢想するシーンとか、当時はよくわからず読んでただろうな。

この小説は、盲目に夢を追うこととか、その業について描かれている。
ただ、『夢』というテーマであれば、今話題の「天地明察」の方がすがすがしいし、現代人の生き方の参考になりそうだし、示唆にも富んでいる。
(多分、「天地明察」が、「猫の地球儀」を読み返すきっかけスイッチのひとつだっただろう。この二つはとても対照的な作品だ。個人的には)

「猫の地球儀」は、『孤独』の話なのかなと思う。主人公猫だし。

天才だって寂しい。
自分は凡人だけど、それだけはよくわかるのさ。

興味を持ってくれた人には、ぜひ読んでほしい二冊。
読んでぜひ「ぐあああああっ」って気分になってほしい。そしてそれから、語り合いたい。

↓多分絶版だけど表紙が見えるはずなので。この絵にだまされた人沢山いるだろう。笑

猫の地球儀 焔の章 (電撃文庫)